故郷探訪 屏風山
館長コラム
2022.05.02
令和4年5月号
故郷探訪 屏風山
故郷探訪 屏風山
稲津小学校校歌には「山は棟山、棟山高い」、瑞浪市民の歌では「誰もが心に山を持つ~見てごらん 屏風の山や化石山…」、夏の風物詩盆踊りでは「深山屏風はなーし…」と歌われている。
屏風山は稲津町だけでなく瑞浪市を代表する山で、瑞浪市と恵那市に位置する私たちの心の故郷の山です。
登山ルートも多様で、1時間も登れば山上の稜線に出ることができる身近な山です。笹平、大草、仲ヶ平、恵那市寿老の滝など各地から登ることができる標高794メートルの山頂には1等三角点があります。山頂からは、遠く伊勢湾、名古屋駅ツインタワー、バンテリンドーム、伊吹山などの大パノラマが展望できます。笹平登山道から登ると、途中で樹齢300年を超える笹神山の大栂(おおつが)の大木が出迎えてくれます。木漏れ日の中をゆったりと歩いてみてはいかがでしょう。
屏風山の麓には動植物の宝庫「黒の田東湿地」があります。春を迎える4月頃から花が咲き始め、初夏には絶滅危惧種の「サワラン」「トキソウ」「カキラン」、また夏や秋にも珍しい動植物が湿地を彩ります。捕獲、採集することなく黒の田湿地でお弁当でも開きながら楽しんでください。
またこの湿地は昔からの「隠れ田」ではとの話もあります。年貢の取り立てが厳しい時代に、農民の方々がここで汗水流していたかもしれない。文献があるわけではないのであくまで推測ですが…。
(M)
頂上からの景色。
黒の田湿地。
ハルリンドウ。