子どもの目
館長コラム
2021.10.04
令和3年10月号
子どもの目
令和3年度より稲津小学校学校運営協議会(コミュニティスクール)が始まり、半年が過ぎた。自分もそのメンバーとして関わることとなった。地域の宝である子どもたちを地域で見守り育(はぐく)む大きな課題を与えられた。
小学校時代を思い出してみた。毎年家庭訪問の期間は先生が不在になるため、写生大会があった。稲荷神社の境内に稲津の陶土の礎を築かれた「岩島利三郎翁・加知金一翁」、「和田亀右衛門翁」の陶祖碑が祭られていることをご存じでしょうか。小学校低学年の目にはその碑が非常に大きく写ったのだろう。画用紙一面に陶祖碑を描いて提出したところ先生に怒涛のごとく叱られた友のことを今も鮮明に覚えている。友は「何故?」叱られるとの思いがあったのだろう。
大人になって陶祖碑を見た。自分の背丈にも満たないものであった。そこで気付いたことは、小学生に見えた景色と大人になって見える景色はまるで違うのではないか。小学生の目には大きく写った陶祖碑も大人の先生には大きく写らなかった。そのために叱られたのではないかと今改めて思う。
大人になった今、もう子どもの頃の目には戻れない。しかしそのことを理解することで子どもに対する接し方も違ってくるのではないか。
子どもに寄り添うことがコミュニティスクールの一歩ではないだろうか。
(M)