故郷探訪 止静庵(しじゅあん)
2023.03.02
令和5年3月号
故郷探訪 止静庵(しじゅあん)
土岐町大草の小川を渡ったその先に木漏れ日の光を映す、屏風山を水源とする小さな「心字池」がひっそりと佇んでいる。そこが稲津町萩原大牧に位置する「止静庵」跡である。現在は、「卯月会」の皆さんを中心にボランティアで管理し瑞浪市の宝を保存してみえます。
南北朝時代の「夢想国師禅師」が全国各地にお寺を開き臨済宗を盛んにした高僧といわれ、正和3年土岐氏を頼り美濃の国に入り、屏風山の麓に鶏足山心宗陀頭禅寺(心宗寺)、後の止静庵を開山したと言われていますが残念ながら止静庵は焼失してしまいました。
止静庵のほとりにある心字池は毎年杜若や菖蒲の花が咲き誇ります。心字池の奥に二つ重なった大きな岩があり、夢想国師が座禅を組んだと言われる「座禅岩」は中ほどがくぼんでいます。南北朝時代に思いを馳せ、座禅岩に座って心字池を眺め、小鳥のさえずりを聞きながら瞑想にふけってみてはいかがでしょうか。
今年度は稲津町の旧所・名跡をほんの少しですが紹介させていただきました。
下小里毘沙門堂、釜糠地蔵堂、羽広観音堂などまだまだ紹介できなかった歴史的建造物が多く存在します。また道端にひっそり佇む石仏・石塔なども古いいにしえの稲津の歴史を物語っているのではないでしょうか。稲津の歴史を再発見されてはいかがでしょうか。
(M)
座禅岩
心字池